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フィナステリド

[2024.04.17]

フィナステリドは、前立腺肥大症や男性型脱毛症(AGA)などの症状を治療するために使用される医薬品です。この薬は5α-リダクターゼという酵素の活性を阻害することで、男性ホルモンであるテストステロンがジヒドロテストステロン(DHT)へと変換される過程を抑制します。

前立腺肥大症の場合、前立腺が拡大して尿路の圧迫や尿の通りを妨げることがあり、尿の排出に関する問題や頻尿などの症状を引き起こします。フィナステリドは前立腺の拡大を抑制し、これらの症状を軽減する効果があります。一方、男性型脱毛症では、毛根がDHTに敏感であるため、フィナステリドの使用によって脱毛が進行する速度が遅くなるとされています。

フィナステリドは通常、1日1回の経口投与で摂取されます。前立腺肥大症の場合、効果を感じるまでに数か月から半年程度かかることがあります。男性型脱毛症の場合も同様で、効果が現れるまでには時間がかかることがあります。

一般的な副作用には、性欲減退、勃起障害、射精障害などの性的機能の変化が挙げられます。また、乳房の腫れや痛み、皮膚発疹などの皮膚反応、頭痛、めまい、消化器症状なども報告されています。これらの副作用が現れた場合は、医師に相談することが重要です。

重大な副作用としては、前立腺がんのリスク増加や乳がんの発症リスク増加が挙げられます。また、妊娠中の女性が誤ってフィナステリドを摂取すると、男性胎児の形成に影響を与える可能性があるため、特に注意が必要です。

フィナステリドは一般的に安全性が高く、前立腺肥大症や男性型脱毛症の治療に効果的な薬として広く使われています。ただし、副作用や注意事項について正確な情報を把握し、医師の指示に従うことが重要です。

フィナステリドは特定の症状の治療に有効な薬であり、適切な使用と定期的な医師の診察のもとで利用されるべきです。医師との相談のもとで、利点とリスクを慎重に考慮し、最適な治療法を選択することが重要です。

 

医師中村有吾

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