リベルサスの飲み方
- 1.空腹時(起床時)に服用する
- 2.コップ半分の水で服用する
- 3.服用後少なくとも30分は飲食禁止
なぜこのようなルールがある?吸収促進剤SNACの存在
解説の前に、なぜこのような特殊な服用方法があるのかについて。GLP-1受容体作動薬はペプチドホルモンであるため、胃で分解されてしまい、従来注射薬しかありませんでした。そこで吸収促進剤であるSNAC(サルカプロザートナトリウム)300mgを含有することで、胃でのタンパク質分解酵素からセマグルチドを保護し、吸収を促進することで経口投与が可能となりました。このSNACの存在がポイントです。
1. 空腹時(起床時)に服用する
リベルサスは1日の最初の飲食の前に服用します。これは胃の中に食べ物や飲み物がある状態で服用すると、有効成分が吸収されなくなるためです。無理なく胃の中が空の状態となると、現実的には起床時がオススメです。
2.コップ半分の水で服用する
これもSNACが関係します。飲酒量とSNACの量によって、吸収効率が変わることが試験によって示されたため、水120cc(コップ半分)で服用するように規定されています。
3.服用後少なくとも30分は飲食禁止
これも少なくとも30分以上は胃からの吸収のための時間を設けてくださいという意味です。30分あれば作用に必要な曝露量が得られるということです。
この30分間は他の薬、サプリ、水、食事すべて口にしないことが重要です。高血圧など急を要さない薬は、リベルサスの最低30分が終了してからタイミングが良いときに服用しましょう。
医師中村有吾