男性更年期を防ぐ食事
食べて運動して良い身体を維持する」というアドバイスは、特に現代の健康維持において重要です。近年、メタボリックシンドロームが健康上の大きな問題として強調されるようになり、その結果として「肉を食べない方が健康的だ」という誤解が広まっています。しかし、この考え方は必ずしも正確ではありません。
バランスの取れた食事は、肉類を含む様々な食品群から適切な栄養を摂取することを意味します。肉には高品質のタンパク質や必須アミノ酸、ビタミンB12、鉄分など、身体の健康維持に必要な栄養素が含まれています。過剰な肉の摂取は避けるべきですが、適量をバランス良く摂取することは、全体的な健康と活力の維持に寄与します。
このため、食事と運動のバランスを適切に保つことが、健康的な身体を維持するための鍵となります。無理な食事制限や特定の食品群を完全に避けるよりも、多様な食品を適量摂取し、定期的な運動を組み合わせることが推奨されます。
男性ホルモンの分泌には食事が大きく影響します。特に、その生成には亜鉛やホウ素といったミネラルが重要な役割を果たします。しかし、体脂肪やお腹周りを気にするあまり、これら必要なミネラルの摂取が不足してしまうと、男性ホルモンの分泌が不十分になり、結果として男性らしい体つきから遠ざかってしまう可能性があります。
亜鉛はタンパク質の合成、細胞分裂、免疫機能の維持など、体のさまざまな機能に不可欠なミネラルです。また、ホウ素はホルモンのバランスを調整し、骨の健康を支えるなどの効果があります。これらのミネラルは、肉類、魚介類、ナッツ、種子、全粒穀物など多様な食品から摂取することが可能です。
そのため、健康的な体型を維持するためには、単に体脂肪やお腹周りに注目するだけでなく、必要なミネラルをバランス良く摂取することが重要です。適切な食事計画と運動の組み合わせによって、健康な体と男性ホルモンのバランスを維持することができます。
短絡的なダイエットではなくリバウンドをしないボディメイク
「痩せることだけを目的に運動しない」
「最近太ってきた」「お腹周りが出てきた」と感じた際にダイエットを考えるのは自然なことですが、その際に絶対に避けるべきなのは「食べないダイエット」です。特にストイックな人たちは、「1日1食でサラダだけ」といった極端な食事制限を試みがちですが、これは間違った方法です。
このようなダイエットでは、体重は急速に減少するかもしれませんが、重要な筋肉も同時に失われてしまいます。筋肉量の減少は基礎代謝の低下を引き起こし、何もしていない時のカロリー消費量が減少します。この結果、ダイエットを止めた途端に大幅なリバウンドが発生しやすくなります。リバウンドを繰り返す人の多くがこのパターンに陥っています。
さらに、亜鉛やホウ素など、男性ホルモンの生成に必要な栄養素が食事に含まれています。これらの栄養素は体の健康維持に不可欠であり、食べないダイエットを行うことでこれらの重要な栄養素の摂取が不足してしまいます。したがって、食べないダイエットは避け、バランスの取れた食事と適切な運動を組み合わせることが、健康的な体重管理の鍵です。
医師中村有吾